シリコンバレーに来るために:アメリカのビザシステム

シリコンバレー、というかアメリカ進出のためにはビザが欠かせません。しかしながらアメリカのビザシステムは超鬼門です。私も現在進行形で苦労し続けています。ここでは、スタートアップを始めたい、もしくはシリコンバレーで就職したい方のために、どのようなチョイスがあるのかを書きます。弁護士ではありませんので個人的見解として聞いてもらえればと思います。

アメリカ人と結婚、もしくはEB-5という選択肢がとれれば一番楽なのですが、大概の人はそんな選択肢を持っていないでしょう。そんな選択肢がない場合、

スタートアップを始める:ビザウェイバープログラムを利用してアメリカに入国し、ビジネスのセットアップ -> セットアップが出来たらEビザを申請。ただし、Eビザをとった場合、その後の資本政策が非常に限られる(アメリカの投資家からの調達が困難)ということを覚えておいてください。

就業する:J1ビザ。H1Bも可能ではありますが、アプリケーションが3月に始まるのにビザがおりるのが9月という事情もあり、多くの企業はOPTを持たない人のH1Bスポンサーはしてくれません。ただし、J1ビザは、ビザ失効後にアメリカに残りたいと思ったとき、後々の選択肢が限られることを覚えておいてください。

学生になる:就業するにもスタートアップを始めるにも、実は一度学生になってしまうのが一番楽です。学生 -> OPTで1年間就業- > H1Bで就業しましょう。H1Bの抽選に外れた場合、すばらしい経歴や受賞暦のある方はOビザを試しましょう。Oビザが難しい場合、また学生に戻るという選択肢もあります。CPTを1学期目から出す学校もあり、学生をしながらフルタイムで就業するというのも可能です。(これをする学校は非常に限られています。詳しくお知りになりたい方はご連絡を。)

以下、各ビザの説明です。

 

学生ビザ(F1)

手っ取り早くこちらに来るには学生ビザが一番です。学生ビザだと就業はできませんが、多くの学校は入学の1年後以降、CPTというWork permissionを発行してくれるので、1年後以降はCPTでインターンとして働くことができます。また、裏技的ですが学校によってはCPTを初年度から発行する(=学生ビザで最初から働くことができる)ところもあります。卒業後はOPTというWork permissionが出て、1年間アメリカで働くことができます。

交換留学・インターンビザ(J1)

J1ビザは学生ビザの次に簡単なビザです。就業も可能なため大変人気のあるビザです。J1ビザのスポンサー団体を選び、そこに就職先を斡旋してもらう、もしくは自分で就職先を見つけてJ1のスポンサー団体経由でビザを受け取るという形になります。
要件:DOSによる認定を受けたプログラムに参加すること、渡米に必要な資金力を有すること
メリット:大卒でなくてよい、比較的取得が簡単、配偶者も就業可能。
デメリット:インターンの場合、一般的に滞在期間は18ヶ月(うち12ヶ月は就労可能)。Jビザ取得後、2年間はアメリカ国外で過ごさないとE、L、グリーンカードの申請ができない。ただしこの2年間ルールは一定の条件を満たせばWaiver可能。

駐在員ビザ(L1)

日本で成功している企業・スタートアップの社員がアメリカで働く場合などに適しています。
要件:ビザをサポートするアメリカの会社が日本の会社の子会社または関連会社である、申請者が1年以上日本で勤務している、申請者が管理者または専門知識を持つ者
メリット:きちんと実績のある企業の社員であれば申請は比較的容易。企業がグリーンカードをサポートしてくれる場合、グリーンカードのウェイトリストがなく、すぐに永住権取得できる、配偶者も就業可能。
デメリット:転職できない。滞在期間には5-7年という制限はありますが、グリーンカードに移行できるなら問題はありません。

専門職ビザ(H1B)

留学生がOPT後アメリカで就労するのにもっとも一般的なビザです。
要件:申請者が4年制大学卒業していること、職務内容がプロフェッショナルであること、学位と職務内容が一致していること
メリット:転職したい際に、職務内容が同種であればビザのトランスファーが可能。
デメリット:ビザ発給数に上限(65000通)があり、応募がこれを上回ると抽選になる。2015年は上限の3倍以上の応募があり、多くの人がH1Bを取得できなかった。取得できた場合、滞在期間は最大6年、グリーンカード申請にはウェイトリストあり。

特別能力者ビザ(Oビザ)

科学、芸術、教育、ビジネス、またはスポーツの分野で卓越した能力を有する者に発給されるビザ。
要件:ビザをスポンサーするアメリカ国内の企業、もしくはエージェントがあること。「卓越した能力」が必要とされているのでハードルは高いですが、受賞暦のある科学者やテレビで取り上げられたことのある料理人、出版経験のある文化人などであれば取得の可能性あり。弁護士いわく、「本気でとろうと思ったら、1-2年かけて出版実績や受賞実績などを積み重ねて取得可能」だそうです。
メリット:H1のように転職できるが、H1と違って上限数がない。グリーンカードの取得がH1に比べ容易と言われている。
デメリット:近年、H1の抽選に外れた人がO1を試すケースが多くなっており、適正の審査がどんどん厳しくなっているらしい。

投資家ビザ(E2ビザ)

アメリカで事業を始めたい人はE2ビザをとります。自分で一からアメリカで事業を始める場合でも、日本のスタートアップがアメリカ進出するときの管理職として渡米する場合でも、E2ビザが使えます。
要件:アメリカ国内で会社を設立し、必要な投資を行うこと(必要な投資とは、事業を持続的に行うに足る投資です。ビザのほしい人数X5万ドルが目安とも言われますが、業態によってはそんなに必要ないようです。たとえば、テックスタートアップをするのであれば、シェアードオフィスをかりて、契約社員を1人置く、というレベルで取れたという話も聞きます)。日本からの出資が半分以上を占めること。
メリット:半永久的に更新が可能。
デメリット:大量の書類が必要で弁護士費用も高くなるビザのひとつ。日本からの出資が半分を切ると更新できなくなるので、アメリカのベンチャーキャピタルからの出資が受けられない。また、自己出資の割合が高いほどよいと見なされるようで、日本人エンジェルからお金を出してもらって自分は全く出資しない場合、取得は困難な模様。

(番外編) EB-5

50万ドルに相当する投資をアメリカにすればグリーンカードがもらえるプログラム。中国の富裕層はこぞってアメリカの不動産を買ったりして、グリーンカードも取得しています。資金に余裕のある方はどうぞ。

(番外編) 結婚

結婚は、アメリカに住みたい人にとって圧倒的に簡単なソリューションです。アメリカ市民との結婚の場合、すぐにグリーンカードが出ます。グリーンカード保持者との結婚の場合は、ウェイトリストがあり、2015年3月時点ではグリーンカードが出るまで1年半~2年待ちだそうです。近年はビザを目的とした偽装結婚が増えているため、同居の証明やメールのチェックなど厳しい審査がなされるようです。

 

アメリカのビザシステムは本当に鬼門です!!学生ビザ以外は専門の腕の立つ弁護士が不可欠です。特にH1Bは運に左右される要素も多々あるので、取れなかった場合を常に想定して、バックアッププランを用意しておきましょう(Oビザを取得できるように実績を前もって積み重ねておく、とか)。そして、慎重になりながらも「どうにかなるさ」精神を忘れずに。見通しは常に不透明なので、一喜一憂しすぎず、不確実さを楽しむくらいの勢いでのりきりましょう!

シリコンバレーのお給料事情のポストに書いたように、乗り越えた先はいい金銭的対価とすばらしい経験がきっと待っています!

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