シリコンバレーの経済的成長は、単なるバブルか実体を伴っているのか

2014年10月にFacebookがメッセンジャーアプリの会社Whatsappを$22B(2兆円強)で買収したとき、バリュエーションの高額さに誰もが驚きました。多くの新聞やニュースで、「こんなバリュエーションはありえない。シリコンバレーはバブルの中にいる。2000年にITバブルが弾けたように、いつかこのバブルも弾けるに違いない」といったニュアンスの報道がさたのを覚えています。シリコンバレーにおける金余りを裏付けるように、多くのスタートアップがいとも簡単に資金調達をし、IT企業の株価はつりあがっています(「アメリカのスタートアップの上がり続ける評価額」をご参照ください)。2015 Silicon Valley Indexによると、シリコンバレー・サンフランシスコでは求人数も平均収入も投資額も、2000年以降では最速のスピードで伸び続けています。では、シリコンバレーはバブルの中にあり、2000年のITバブルの崩壊のように、早晩このバブルも弾けてしまうのでしょうか。

私は、2000年と2015年の状況は全く異なると思います。確かにWhatsappのバリュエーションは行き過ぎだとは思いますが、今回の経済的成長はおおむね実体を伴ったものなのではないでしょうか。ANDREESSEN HOROWITZのレポートから、様子を見てみましょう。

まず、S&PのITインデックス。2000年以降、低迷していたIT系会社の株価が近年上昇し始め、1999年レベルまで近づいてきたことが分かります。

S&P

しかしながら、P/Eマルチプルは横ばいです。IT系会社の株価が、マルチプルの上昇によってではなく、実際の収入の上昇によってもたらされた、実態のある株価の上昇であることがわかります。

Earnings

今度は、IT系企業への投資額を見てみましょう。確かに近年は投資額が膨らみ、2014年の投資額は 1999年レベルに近づいています。

Funding

投資とは、大きな市場規模が見込める領域に大きく出すものです。1999年時点では、アメリカのインターネットユーザーは1億人強、イーコマースの市場規模は$12Bでした。2014年には、インターネットユーザーは2億5千万人、イーコマースの市場規模は$304Bまで拡大しており、そしてイーコマースに関しては今後も大きな拡大が期待されています。

そこで、投資額をインターネットユーザー一人あたりの額に直してみます。2000年では、一インターネットユーザー当たり$1000もの投資をしていましたが、2014年は$200に満たない額になっています。そして、この額は過去10年と比べても高い数値ではありません。市場規模が拡大しているため投資額も増えている、という状況であることが分かります。

Funding per online

このように、株価や投資額は、2000年のバブル時に比較すると、実体を伴ったものだと言えると思います。ミリオネアが増え続け、住宅価格も家賃も年率15-20%で上昇していくサンフランシスコ・シリコンバレーに住んでいると、「こんなバブルは続くわけがない」という気にもなりますが、ITの市場規模が伸び続ける限り、そしてそれによって増え続ける被雇用者がサンフランシスコ・シリコンバレーを住居に選び続ける限り、当分は住宅の供給難、家賃の上昇は続くのではないでしょうか。

 

 

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